コロナ対策を中心に区長に質疑しました

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9月11日の質疑の動画が公開されました


https://gikai2.city.minato.tokyo.jp/g08_Video_View_s.asp?kaigi=110&NitteiID=4858&SrchID=2357


全文も掲げておきます


お盆過ぎあたりから調査しては書き直して調査しては書き直しての日々、熟慮しておりました質疑は本日、児童虐待根絶のシンボル、オレンジリボンとスカーフを胸に


進んだこと、留保されたこと、いろいろ分析し、コロナ禍の中、区民の希望が見出せるよう活動開始します


以下


自民党議員団の一員と致しまして、武井区長に質疑申し上げます。 

本日は9月11日です。

アメリカで同時多発テロが発生したのは19年前の今日でした。

2996人の犠牲者の中には24人の日本人も含まれており、その理不尽な死に今なお胸が締め付けられます。

以来、世界は不穏なリズムを強く刻み始め、怨念と憎悪は増幅し、世界にテロや戦争が絶えたことはありません。

そもそも第二次世界大戦後、戦争をしなかった国は国連加盟国193カ国のうち8カ国しかありません。

その中に日本が含まれている事は誇らしいことではありますが、日本もまたその怨念と憎悪の糸に、グローバル社会の中でからまれている事に違いありません。

先の大戦で、人類が学んだ戦争の悲惨さと平和への思い、平穏な生活のありがたさは一体何だったのかとつくづく思います。

 

19年前の9月11日を境に、日本においても航空機の搭乗に厳重な警戒体制が敷かれ、旅行業界に甚大な影響を及ぼしたことを今でも覚えています。

今、戦争ともテロとも違う新型コロナウィルス感染症によって、産業への影響は旅行業界にとどまらず、広範囲に及んでおります。区民は新たな脅威により緊張感と制約の中で生活を強いられております。

子どもたちの育みも心配なところですが、昨日の浦田新教育長の所信表明にはとても心強いものを感じました。

昨日、東京都は営業自粛要請を9月15日予定通り取りやめると発表いたしましたが、陽性者276人と予断を許さない状況です。

たとえ明日、新型コロナウィルス感染症が消滅したとしても、これまで港区が受けた甚大な影響の回復には、区政のかじ取り次第で何年もかかるのではないかと思います。

 

コロナ禍において、我々は平穏な生活の貴重さとかけがえのなさを感じています

我々区議会議員は、区民の代表としての自覚をもち、品格と品位をもって、どんな時代でも毎日を心豊かに生活できる温かい都心港区を行政、区民とともに作っていかなくてはなりません。

 

喫緊の課題について武井区長にお伺いいたしますので簡潔明瞭な答弁を期待いたします。

 

  【1】混迷期を乗り越える港区の中長期的期課題について

⑴積極的な施策の財源について

昨年の第3回定例会の代表質疑で私はこう発言いたしました。

今、港区の人口減少を心配している区民は誰もいないが港区は令和18年の30万4千人をピークに人口減少に転じる。政治は10年先、20年先の課題を考えるものだと。港区は守りだけで発展する特別な都心だと奢ってはいけないといった発言です。

 

今、誰も心配してなかった港区の人口は減少しています。コロナ禍の影響により港区の人口は6月から減少し始め、地価の高い都心で住む意味が問い直され、都心離れという言葉もよく耳にするようになりました。今迄は想定もできない事態であり、これはライフスタイルの変化によるものでいつ元に戻るかもわかりません。

 

一時的にせよ港区の税収が減るのは確実ですが、反面、この混迷期を乗り切るには積極的な支援施策の推進が必要です。ライフスタイルの変化を超える都心港区の輝きを見出し、これからも港区は区民と協働して発展していかなくてはなりません。

 

そこでまず財源の課題を考えたいと思います。

 

基金の例をとれば、港区震災復興基金については昨年の第3回定例会の我が会派の小倉議員からの質疑において、具体的な活用方針を示すと答弁いただいたたところでありますが、既に760億円も積み立てを果たしているにも関わらず、いまだに具体的な活用方針は示されておりません。

この基金の必要性は十分に認めるところでありますが、そもそも具体的活用方針なきところに1000億を積み立てる確定的な根拠はありません。これから作られたとしても最初に1000億ありきでは後付けに見えます。

 

今後の特別区民税の減収局面を踏まえると、私はあと240億円の積み立てを一度見直し、コロナ禍の影響で苦しむ区民の皆様の支援に活用するべきだと考えますが区長の見解をお伺いしたい。

その上で、混迷期を乗り越える積極的施策の財源をどのように確保していくのか、標準財政規模比で5割以上という基準目安を割り込んだ財政調整基金の今後の在り方や柔軟な運用などについても区長の考えを伺う。

 

 

(2)中小企業の資金繰り支援と区の後年度負担について

港区は本年3月4日から国や東京都に先駆け、500万円まで無利子で信用保証料も全額区が負担する新型コロナウィルス感染症対策特別融資を開始しました。

またリーマン・ショック以後に始めた緊急支援融資制度もあり、2,000万円0.1%という低利で借り入れができ、信用保証料も全額区が負担をしています。国の制度と比較しても大変優れた制度だと言えます。

 

先週末現在で区の特別融資あっせんは6,190件、301億4千万円余、緊急支援融資あっせんが2,569件、455億円余となっており、融資実行率は両制度合わせて91.7%、この未曾有のコロナ禍の中で、区が積極果敢に中小企業の資金繰りに取組んでいることに高く評価を申し上げたいと思います。

 

これらの融資でどれだけの事業者が苦しくとも明日への希望を繋ぐことができたか。店をたたまずに済んだか、会社を閉めずに済んだか。家族の生活を守ることができたか。私のもとにも多くの声が届いています。まちの活気が保たれている心強い礎です。

 

港区が負担する信用保証料補助金や利子補給金の歳出としての後年度負担は、いかばかりかと思います。しかしたとえ後年度負担がかかるからといってブレーキをかけるのではなく、はっきりその負担を認識した上で、コロナ禍を乗り越えるためならむしろアクセルを踏み込むくらいの意気込みで、引き続き中小企業の資金繰りに積極果敢に取り組んでいただきたい、その姿勢も含めて区長の考えを伺います。

 

(3)中長期化する新型コロナウィルス感染症対策について

①都心区特有の甚大な影響に関する認識について

新型コロナウィルス感染症の影響は、人が密集する都心に甚大な影響を与えている事は、これまでも申し上げた通りです。

 

昼間人口の動向を顕著に表すたばこ税は、5月は55%近く減少し、8月になっても3割を超える減少となっています。港区の地域経済を支える昼間人口が戻らないのです。

区内産業には多くの区民も関わっています。上半期の港区景況調査もリーマンショックをしのぐ係数が多くの指標で示されています。

 

私の地元麻布地区、六本木でも老舗から人気の店まで閉店した飲食店、飲食店でなくても倒産、港区以外の場所に移転した会社も数しれません。区民生活にも影響が現れています。新型コロナウィルス感染症等の特例制度に基づく徴収猶予の申し込みも8月26日現在で469件と急増しています。

 

国や都の支援施策は全自治体一律のものであり、都心特有の影響に配慮したものではありません。身近な地方自治体ならではの支援策が必要です。支援が遅すぎても船底の穴は塞げませんし、急ぎ誤れば長期戦に耐えられなくなります。的確な判断が必要です。

 

新型コロナウィルス感染症における都心区特有の影響の認識と、都心区としての支援策の在り方について区長の姿勢を伺う。

 

②的確かつ適切な情報の周知について

一度、新型コロナウィルス感染症で陽性になると、養生して陰性になったとしても、社会的抹殺になりかねない雰囲気を感じています。どれだけ気をつけていても、陽性になれば、三密マナーを守ってない!と地域や会社で偏見を受けている人から相談もありました。高齢の知り合いからは、コロナにかかってしまってすみませんと罪を犯したように泣きながら電話がありました。

 

り患者からも電話をいただいたり、熱が出ただけでも区民からは深刻な相談を受けています。

仕事はどうなる?従業員を守れない。生活できない。友人に相談したら避けられた。子供のことをどうすればいいのかわからない。誰にも言えない!会社に言えない!相談する人がいない!大事な人にもあったのだけれど濃厚接触者って定義がわからない!

 

過度の恐れや警戒によって、地域産業が影響を受けたり、罹患者が社会的に孤立したりする事例も見受けられます。地域コミュニティの継続性や高齢者の孤立も課題です。

区民の多くの不安は自分の身体のこともありますが、むしろ悩みと不安の多くは対人関係、社会的、経済的な不安に起因しています。正しい情報が身近にないのです。

我々は、正しく恐れなくてはならないのです。

 

昨日は我が会派の柳沢議員からも正しい情報の在り方について質疑がありましたが、私からは保健所と区長部局の連携についてお伺いしたいと思います。

 

この課題には保健所だけではなく全庁で取り組むべきで、その点において、区長部局に新型コロナウィルス感染症対策担当課が設置されたことは誠に適切であると評価をいたします。

 

いち早い、有りうべき地域・社会・経済環境の回復のためにも、新型コロナウルス感染症における正しい理解、地域での日常の在り方、罹患者へのケアなどについて、保健所だけではなく区長部局が連携し広く周知、啓蒙する必要があると考えるがどう進めるか区長にお伺いします。

 


 

③一律給付金について

議員というのは、難しいとはわかっていても議会で区長の考えを訊かねばならぬことがあります。

今はコロナ禍であまり人と会うことも以前より少ないのですが、それでも半分くらいの人にきかれます。財政豊かな港区はなぜ一律給付金を行わないのかと。

 

第二回定例会の我が会派の清原議員の質疑答弁において、港区は「一律的な経済給付によらず、支援が必要な区民や事業者に焦点を当て、きめ細かい対策を実施する」との見解を示しました。確かに港区はこれまでも極め細かい効果的な施策を推進してきたことは大いに評価いたしますが、コロナ禍は想定外の長期化の様相を呈しています。

私もまさか9月に入ってもコロナ禍が収まらぬとは思ってもおりませんでした。

その長期化の影響はきめの細かい支援では限りなく網羅的になりかねないほど広範の分野と区民に及んでいます。

 

この質疑は区民の声をそのまま区長にお届けし、区長のお考えを区民に伝えたいと思います。

 

長期化するコロナ禍はほぼすべての区民に少なからず影響を与えています。

一律給付は経済的影響を被った区民には家計の補填となり、子育て世代やひとり親家庭にも心強い支援となり、コロナの罹患者には経済的損失の補填ともなり、甚大な影響を受けながら東京都の自粛要請支援から外れている区民事業者のもとにも届き、会社の業績でアルバイトができない、廃業や倒産などで仕事がない区民、すべての区民の元に届くのです。税金の還元という観点で言えば、低所得者ほど率が高くなります。付け加えれば、打撃をあまり受けていない区民は消費活動に寄与していただけるはずです。

 

これまで港区は、他区と比較にならないほど多くの高額納税者 、高い家賃を払っても港区に住みたいと思っていただける港区愛に溢れた区民の皆様、何代も港区を愛し、高い固定資産税にもめげず住み続けておられる区民の皆様のおかげで特筆すべき繁栄を築いてまいりました。

財政調整基金も合わせて基金総残高1800億円、今期決算の黒字ともいえる実質収支額が89億円、このお金はいったい誰のものなのか。今こそ港区は全区民に「恩返し」をするべきだと思います。冒頭質疑した震災復興基金の今後の積み立て予定額は240億、26万区民で割れば、一人当たり約9万円です。

 

これは一人ではない区民の声です。昨日も多くの会派から質疑がありました。

確かに間違いなく区民税収入は減収局面にあります。慎重な区政運営は必須ですが、効果を見極めながら行う積極的な施策は慎重さと両立しなければならないと思います。

慎重という意味では今定例会では新型コロナウィルス感染症対策関連の補正予算は僅か10億円余り、関連議案も提案されていません。

 

区民にあまねく影響を与えているコロナ禍において区民にあまねく支援が行き渡る独自の一律給付は、このように影響が長期化する状況の中では、都心区特有の甚大な影響に照らしても、国の一律給付金を補完する意味でも、一定の効果があると考えます。区長の考えを伺う。

 

 

 

(4)混迷期を乗り切る業務推進手法の確立について

次期港区基本計画に導入される「PDCAサイクル」は状況が刻々と変わる混迷期には機能しないことがあります。

「PDCAサイクル」とは、(Plan)(Do)(Check)(Action)、まず計画があり、実行、チェック、修正という順序でのこのサイクルを回していきます。PDCAサイクルが機能するのは、不確実なことが起こらない定型的業務に向いています。トップダウン的要素がありますので上司がちょくちょく介入してきます。

 

世界で潮流となりつつある「OODAループ」とは(Observe)(Orient)(Decide)(Act)、まずビジョンと目標を共有し、現場で観察し、情勢判断、意思決定、行動という流れを繰り返し目標到達への精度を上げていきます。現場を尊重するのが特徴です。今、港区が導入しようとしているAI、溢れくる情報を的確に対応判断する思考の流れそのものとも言えます。

 

以前決められた計画を、コロナ禍で状況が一変したにも関わらず、状況観察もなく継続して実行するような計画至上主義は、今港区にも少なからず存在していますが、これこそPDCAサイクルの弊害だと思えます。

 

この混迷期にこそ組織を活性化する業務改革を図っていただきたい。

 

PDCAサイクルは、永続的な行政目標の達成に向けて行政運営を行うもので必要な分野も多く存在しますが、ここにOODAループを組み合わせることで、区民に密着して、ニーズや欲求を迅速に発見し、時代の変化に合わせた政策をより効果的に行っていけます。

何より現場の若手職員のモチベーションが上がり組織が活性化する全員参加型の業務推進手法なのです。


この質疑は、港区基本計画を説明する総務委員会資料に「PDCAを踏まえた効果的な施策及び事業の立案」とうたわれていたことを機にお伺いするものです。


混迷の時代にこそ、このような時代に即した業務推進手法を確立するべきではないか。区長の考えを伺う。

 


(5)「幸せ」という概念と区政運営について

上を向いて歩こう

幸せは雲の上に

との流行歌は東日本大震災の時、多くの被災者を励ました


混迷の時代こそ「幸せ」の在り方を考えることが希望となります。

コロナ禍の中で我々は、行き詰まる制約とステイホームの中で日常の幸せとは何かを見つめ直している。

私はここで港区に幸福論を説いてほしいと言っているのではありません。私は大学の哲学科で哲学と倫理学を学んでいましたが、最も遠ざけていたのが背中が痒くなるような幸福論でありました。

 

「みなとマリアージュ」しかり、既に多様化と個性に配慮することが地方自治体の大きな責務になっているが、地方政治における「幸せ」という概念は、政策立案における指標となりつつあります。

 

荒川区民総幸福度(Gross Arakawa Happiness: GAH)と言う指標は、「幸福実感度」と、その基礎となる6つの分野の指標に分け、それぞれの区民が「幸せ」と感じるための分析を行い、不足している指標に着目し政策立案に寄与させています。最近ではニュージーランドの幸福予算も話題になりました。

 

国連は2020年版の「世界幸福度報告書」で世界幸福度ランキングを発表いたしました。

首位は3年連続でフィンランド。日本は2018年の54位、2019年の58位からさらに4位後退し、2020年は62位、先進国では最下位であります。

 

生活者に身近な地方自治体が目指すのは区民の「幸せ」に他なりません。

 

幸せという概念を政策立案の軸点におくことは、個々人がどういう気持ちで暮らしているのかに着目することにあります。

何を「幸せ」と感じるかは人それぞれですが、「幸せ」と感じられない指標の課題解決に向けた政策立案は無意味ではありません。

現行の港区基本計画には、「幸せ」という概念を政策に活用している言及はなく、「幸せ」という言葉もほとんどありません。

 

都心港区で住む区民の「幸せ」のあり方を客観的に港区が把握することで、今、都心離れなどと言われている風潮に負けない港区の輝きを保つことができます。

 

そこで政策創造研究所の今後の研究課題において、コロナウィルス感染症が及ぼす様々な影響調査の中で、区民の多様な「幸せ」の在り方について調査分析をすることはできないか区長に伺う。


 

【2】区民の安全と安心について

1. 羽田新飛行経路に関する国への申し入れについて

羽田新飛行経路の運用が開始され、区民からは騒音や落下物等に対する不安の声が増して寄せられています。

 

第二回定例会では麻布地区からも「羽田空港新飛行経路の運用に関する請願」が出され、港区の新飛行経路下の状況を港区として詳しく調査分析をし、国に報告すること、また、新飛行経路の固定化回避に向けて新たな選択肢など再考するよう国に求める訴えが採択されました。

この請願を区長としてどのように受け止めているのかお伺いする。

 

港区は独自調査ポイントを順次増やし、当該地区の測定調査も地元からの要望で実現していただいたことは感謝を申し上げますが、調査結果を分析したところ国の事前説明と相違する部分も明らかになっている。

 

安全と安心に満ちた区民生活の実現は地方自治体である港区の責務であります。

 

新たに国に設置された「羽田新飛行路の固定化回避に関わる技術的方策検討会」は、我が会派も期待するところだが、本委員会への訴求も含め、騒音、安全、運用を固定化しないなどに集約される区民の声、区の独自調査の結果を、厳しい姿勢で国に訴えていくべきだと思うがどのように臨むのかお伺いする。

 

2. 複合災害について

自然災害が頻発しています。さらに激しさを増すゲリラ豪雨や台風等の水害、30年以内に7割以上の確率で発生すると言われる南海トラフ地震などが懸念されていますが、それらが同時に起こるのが複合災害であります。

台風からの復旧中にまた台風が来る、復旧の最中に新たな災害が発生するのも最近頻発する複合災害であります。

さらに今我々が対峙する新型コロナウィルス感染症も災害の一環とされ、避難所のあり方も根本的に変更を余儀なくされている。

 

避けられないのは自然災害だけであり、今こそ、複合災害への備えと意識啓発が必要だ。

特に地域や防災関係団体との連携、行政による的確な情報発信と自助の促進は重要だ。

自宅以外の避難場所の確保や備蓄品の充実、避難所へ行く目安や基準を明確にするなど複合災害を想定すれば、取り組むべき課題、優先すべき課題が顕在しています。

そして先ほど申し上げたようなOODAループ的思考、刻々と変わる現場で状況判断して対応していく業務手法の確立も必要です。

 

区の地域防災計画には複合災害への言及がありません。

港区としても複合災害への取り組みを地域防災計画に明確にした上で、自助のさらなる促進を礎とした区民への理解と意識啓発を行っていく必要があると思うが区長の考えを伺う。

 

 

   【3】児童虐待根絶のための啓発活動について

東京都大田区のマンションで3歳の女の子が8日間置き去りにされ衰弱死するなど、悲惨な児童虐待が後を絶ちません。

平成30年度の全国の児童虐待相談対応件数は前年度より19.5%増え159850件である。港区も例外ではなく令和元年度の虐待相談件数は前年度比45 %増の750件である。

来年度開設される仮称港区子ども家庭総合支援センターの設立は、様々な提言を重ねてきた私も大いに期待するところだが、児童虐待根絶への取り組みを進めるには、これまでの様々な効果的な施策に加えて、地域への啓発活動がとても重要であります。

地域での気付きや、虐待に関する意識向上こそが、児童虐待を根絶する礎となるのです。

 

オレンジリボンと189番、この二つが児童虐待根絶の啓発の要だと私は考えます。

児童虐待根絶の全国啓発運動がオレンジリボンだ。

2004年、栃木県で3歳と4歳になる二人の愛らしい兄弟が、いったんは保護されながら、周囲の諸機関が適切な措置を取らなかったために、橋の上から川に投げ込まれて幼い命を奪われるという痛ましい事件を機にこの活動は始まりました。

社会全体で児童虐待根絶を願うオレンジリボン活動を知る人は6%に満たないという調査もあります。

私も常にオレンジリボンバッチをつけているが、ほとんどの方がその意味を知りません。

また、平成27年から厚生労働省によって始まった189番は、虐待かな?と思ってかければ地域の児童相談所につながるものですが、認知率が1割程度と言う民間の調査結果もあります。この番号を地域の人が知っていれば見過ごさないで済んだ命があるのです。

どちらもしっかりと啓発を図る必要があります。

 

この2つを全国啓発する活動が港区で開かれます。

児童虐待防止月間である 11 月の 14 日、 189番にちなんで18時9分、児童虐待根絶を願い、東京タワーが初めてオレンジリボンカラーにライトアップされるのです。

 

この全国啓発活動は、ライオンズクラブ国際協会の東京地区が主催し、 オレンジリボン運動の推進母体である 児童虐待防止全国ネットワークや東京都も参画する。

地元の地方自治体である港区もぜひこの啓発活動に協力をしていただき、児童虐待根絶の地域づくりに寄与していただきたいと思います。

 

毎年、オレンジリボン活動を推進する児童虐待防止全国ネットワークは「子供の虐待死を悼み命を称える市民集会」を開催しています。

この会では冒頭、虐待によって亡くなった子供達の名前が読み上げられます。平成29年度は心中13人を含む65人の子供たちが虐待で死亡いたしました。その名前を読み上げるのにどれだけの時間がかかるでしょうか。来年も、何十人もの子供の名前がそこで読み上げられるのでしょうか?

港区にある東京タワーのオレンジリボンライトアップによって、空にいる子供たちにもその明かりを届け、二度と君達のような死を遂げさせませんからと誓い、地域の子供たちを守る思いをその明かりの元で結束する機会となる筈です。区民にも広く周知し、オレンジリボンと189番の存在を知らしめてください。

コロナ禍である時代の混迷期においては弱者がさらに影に隠れます。ステイホームで家庭での虐待リスクが高まっている本年、児童虐待防止の啓発活動をさらに、どのように推進するべきか区長の考えを伺う。


以上、このコロナ禍の閉塞状況を超えて、すべての港区民それぞれに「幸せ」が溢れるよう祈念致しまして質問を終わります

ご清聴ありがとうございました